イベント「 CNET Japan不動産テックカンファレンス2018 」に行ってきた

2018/10/4に行われた、「CNET Japan不動産テックカンファレンス2018」に行って来ました。

japan.cnet.com

 参加した講演

時間の都合上、2つの講演しか参加できず。。

参加した講演は以下2つ

不動産とテクノロジの融合 IoT・AIがつくる未来

株式会社アクセルラボ・代表取締役 小暮 学氏による講演。不動産会社のIT部門からスピンアウトし、AIホーム、IoT機器の販売、アプリの提供などを手がける同社のプロダクトついてのプレゼン。居室内での行動に応じて自動音声が最適なメッセージを発するなど「AIすげぇ」って素直に思ったが、まだまだお金持ちのおもちゃ、と言う印象。

事業背景

  • これまでの不動産業界=ハードのみが進化してきた
  • 居住者が次に求めるもの=UX(健康・安心・楽しさ)
  • 携帯電話のパラダイムシフト=卓上電話→携帯電話→スマートフォン
  • スマホの登場により、様々な情報に誰でも瞬時にアクセスすることが出来るようになった
  • 家で過ごす時間は人生の60%を占めるが、家のUXは人が家に合わせているのが現状
  • 不動産のパラダイムシフト=家が人に合わせるUXを提供する、ハードからソフトへの転換
  • 居住者のUI/UXをいかに高めていくかが重要

サービス紹介 "alyssa."

  • スマートホームコントローラーとして2017年2月にリリース
  • エアコン、施錠、床暖房、給湯、証明などの操作がスマホアプリから可能
  • DL済みユーザーに対する登録済みユーザー率=46%
  • 登録済みユーザーに対するMAU率=92% ※LINEで8割程度

IoTのその先(alyssa.今後の展開)

  • Brain of Things社に出資「キャスパー」の日本語化・ローカライズに取り組む
  • キャスパーの3つのレイヤー:① コネクト(センシング 情報収集)② 住んでいる人が何をしていて、どういう状態なのか、部屋中のセンサーで情報を取得 ③ AI(深層学習、分析)
  • センサーで集めた情報をAIで分析
  • UX(経験、実行):学習した情報を元に、次の行動をAIが判断し、実行。居室内の行動の300パターン程度認識出来るようになっている

クックパッドが目指す明日の街づくり - 生鮮EC「クックパッドマート」

クックパッド株式会社・買物事業部の福島氏、佐藤氏による事業プレゼン。会場にいたら「クックパッドがなんでこんな場に??」という声も聞こえて来たが、レシピと材料の購買行動を地域の物流や商店と結びつける=街づくり、不動産業の協力が不可欠、ということらしい。不動産テックか、と言われると少し無理やり感が有ると思うが、事業のコンセプトは面白いと思った。

cookpadmart・事業紹介

  •  食材をスマホで購入し、自宅近くの施設で受け取れる
  • 18年9月20日、地域限定でリリース
  • その日に欲しい食材をスマホで注文。好きな時間、場所で受け取れる
  • 新たな置き配モデルを目指す
  • 生鮮流通のあり方を変える
社会背景
  • 「共働き世帯」「ひとり暮らし」世帯を中心に、買い物難民が増加

解決する課題、サービス概要

住む場所で「毎日の食生活」が決まってしまう現状
  • 地域に限られたスーパーマーケットへの依存度が高い
  • ロス率の低い安定需要のある食材しか店頭に並ばない
  • 食品市場60兆円超の中で、EC化率は1.9%
「買いだめ」や「作りおき」に依存しない食生活づくり
  • 既存の宅配サービスは原則として個配、対面受け取り
  • 配達コストを回収するために「最低注文金額」や「定期購入」を促す必要がある
  • 物流センターを通すため、葉物の取扱が難しく精肉・鮮魚は冷凍品が主
受け取り先提携企業
  •  店舗にとっての来店促進効果、手数料を数%バック
  • 地域を支えるチェーンストアなどと提携
    • ドラッグストア各社、カラオケ店、行政等
  • 今後の設置先開拓の展望
    • 中規模マンションの共用部
    • オフィス
    • 保育園など
  • 目指すもの
    •  食品の買い物をEC化の力で自由化し、地域受け取りで「街を再活性化」させる
新たな小売ECのプラットフォーム
  • 小規模事業者にとって、EC化導入の敷居が高い
  • 地域の農家や街の販売店から当日中にピックアップ
  • 近距離配送に特化することで手数料、コストを圧縮

 感想、まとめ

講演の内容に目新しいものがそれほどなく(クックパッド社くらい)、また、講演内容も直前まで決まらず、満席表示の講演も空席が目立つなど、「不動産テック」という業界自体が盛り上がっていないのではないか、とすら感じてしまう様なイベントだった。

考えてみれば、一口に「不動産テック」と言っても、対象領域が売買なのか賃貸なのか、ユーザーがオーナーなのか入居者なのか不動産事業者なのか、によって集客の対象も求められるコンテンツもバラバラなはずなので仕方ないのかもしれないが、業界の中にいる身としては残念に感じた。こんなんじゃいつまでもテック人材がこの業界に見向きもしない。。