「SaaS Product Manager Meetup vol.1 」に行ってきた

f:id:wadamako:20181115010225j:plainSaaS Product Manager Meetup」は、SaaS事業を展開する各社のプロダクトマネージャーがパネルディスカッション形式でお話するミートアップイベント。
トレタ、Sansan、ネットプロテクションズ、各社のPMがどんな考えを元にどの様に優先順位をつけてプロダクト開発を行っているのかを知りたく、イベントに参加して来たのでレポートします。

SaaS Product Manager Meetup vol.1 ~市場のパイオニア企業たちによる裏側ぶっちゃけトーク

イベント概要

  • 主催:株式会社ネットプロテクションズ
  • 日程:2018年11月14日(水)19:00〜20:30

netprotections-event1.peatix.com

登壇者自己紹介&事業紹介

Sansan株式会社

  • 登壇者
    • Sansanプロダクトマネージャー 峰松 隆太郎
  • プロダクト開発で大事にしていること
    • なんの業務を置き換えるか 業務が無いと使ってもらえない
    • ユーザ層 toC向けサービスを参考にすると使いこなせなくなる人が多い
    • 2:8 一部のイケてる人だけが使えればよいのかどうか
  • 今後目指していきたいこと
    • アプリファースト 業務でスマホ>PCになっている例はあまりない
    • 他サービス連携
    • グローバル
  • 組織について
    • プロダクト>プロダクト開発部>開発チーム
    • 開発チームの構成はPM1名、UI/UXデザイナー1名、エンジニア3名

株式会社トレタ

  • 登壇者
    • COO 吉田 健吾
  • 大事にしている考え方
    • Issue First
    • Respect All
    • DIVE
  • トレタの存在意義=外食産業が抱える課題を解決する
    • 外食産業の課題
      • 外食産業は雇用を多く生むものの、稼ぐ力が弱い(総務省統計局 統計ダッシュボード)
      • 生産性が低い→過酷な労働環境→優秀な人材の不足、のスパイラル
  • 事業内容
    • CRM事業部:予約台帳「トレタ」
      • 紙に書かれて活用されていなかった個人情報をデータ化し有効活用する
    • CC事業部:予約コールセンター「トレタCC」
      • 店舗の代わりに電話予約、リクエスト予約、各種問合せを行うコールセンター事業
    • 直前予約アプリ「Skior」
  • 市場規模とシェア
    • 予約を取る可能性のあるお店(TAM):8.5万店
      • 繁盛店:予約必須/予約管理必須な店:約1万店
      • 準繁盛店:繁盛店に到達可能な店:約3万店
      • 参考:ぐるなび正会員(月4万円):約6万店
    • 市場におけるポジション
      • 予約台帳シェアNo1(33%)
  • プロダクト設計における要点
    • ATMを使える人なら誰でも使えるUI/UXを目指している
    • 紙台帳を捨ててもらう
    • 飲食店の仕事を増やさない
    • 予約事故誘発につながる機能追加はしない
  • プロダクト開発の優先順位
    • 飲食店の業務プロセスは店舗ごとに独自の進化を遂げているケースが多い。それをきちんと一度捨ててもらう必要がある
    • 店舗からの要望を鵜呑みにすると事故率が上がって顧客のためにならないこともある
    • 開発内容がプロダクトのビジョンに合致しているのか深掘りして考える
    • 考えに考えた結果をプロダクトに反映しているため、創業時からトップページのデザインはほぼ変わっていない
  • 組織
    • つくる側:47名 売る側:61名 支える側:20名

株式会社ネットプロテクションズ

  • 登壇者
    • NP掛け払いプロダクトオーナー 中原 雄一
  • キーワード
    • 本来、自然状態で人は創造的だし、幸せになれるはず
    • 妨げている歪みを0ベースで変える、アタリマエを作る
    • 事業:歪みをなくす 組織:ティー
    • 組織設計=Nearer
  • 事業紹介
    • NPかけ払い(債権譲渡型決済サービス)
    • B向けの決済関連のサービス
  • サービスミッション、ビジョン
    • BtoBビジネスの歪みをテクノロジーとネットワークでつくりなおし、より本質的な企業活動を実現する
  • 取り組み方(Growth Point)
    • グロース、オペレーション、リスクのバランス
    • 事業推進、組織構築のバランス
    • 「なくてもいい」を超える
  • Our Way
    • 長期視点
    • ユーザー変革不要なプロダクト
    • 全員で考える

パネルディスカッション

PMFを達成するまでのHard thingsは?

  • ネットプロテクションズ
    • プロダクトが軌道にのるまで2〜3年かかった
    • PMFを達成するまで、自分たちのサービスに自信がもてなかった
    • 中途半端に売れてしまったため、開発・営業・マーケの間で責任の押し付けあう空気あった
    • 顧客にイシューは何かをヒアリングしまくった
      • バリューチェーンが長く、取引期間が長くなるプロダクトの場合、顧客とぶれないコミュニケーションを続けるために、組織の力が大事
  • トレタ
    • 代表の飲食店経営者仲間に対して、スケッチ段階でヒアリングを行っていた
    • 代表が紙の台帳で使っていた予約台帳のレイアウトをプロダクトに反映した
    • 「紙で困ってない」「タブレットは何となく怖い」をどう乗り越えたのか?
      • 予約事故が減る、データが資産になることを伝える、等、啓蒙活動に近い営業活動を地道に続けた
  • Sansan
    • 代表が「名刺管理」に対して課題に感じていたことがプロダクトの原点
    • 「そんなコトに金は出せない」壁は存在した
      • 手間が減ることではなく、トップラインに効くことをアピールして振り向いてもらう
      • 名刺管理とは外れるが、営業フックになるような機能を作った(mail配信、SFA

このビジネス実はここが難しい!それを超えれた強み・秘訣は?

  • Sansan
    • 経営層が思っていることと、実際に使うユーザーとで考えることが異なる
    • 現場での導入を進めるために、初期名刺データの取り込み代行要員の派遣を行っているほど、入り込んでやっている
    • CSが導入時の取り込み枚数をKPIに置いている
  • トレタ
    • 紙に戻られるとチャーンにつながるため、CSにはコストを投下している
    • もともとは営業が商談からオンボーディングまで面倒を見ていたが、初期の営業メンバーの得意不得意に応じて分業するようになった

部署間摩擦は存在する?どう対処している?

  • ネットプロテクションズ
    • 重要な意思決定の場には全員が参加している、議論にとにかく時間をかけている
    • 議論にコストをかけている分、摩擦は少ない
  • Sansan
    • 社長自身が「プロダクトの会社」であることを明言しているため、営業からの要望を反映しなくてもそれほど摩擦は生じない
    • 納得してもらえるだけの説明責任は果たしている、情報共有に時間を割いている

開発の優先順位はどうやって決めている?

  • トレタ
    • 創業から2〜3年は社長が全部決めていた
    • 事業部の目的を「ARPUを上げること」に設定した、目標をシンプルにした
      • 開発内容がARPUに与える影響の大きさで優先順位を判断している
      • 開発前の段階、フィジビリで丁寧に情報を集める様にしている
    • ARPUに直結しない開発はどう進めているか?
      • ARPUにはつながらないが、ユーザビリティは上がる「有ったらよい」案件は、ロードマップに乗っている開発案件の3倍ほど積み上がっている(ネットプロテクションズ社)
      • やりたいこと、やり残したことのBacklogの中から、他の開発に混ぜられるものがあれば混ぜてリリースしている
      • 小さいサイズの開発案件で優先順位が上がらない案件や技術的負債は、開発合宿を行って一斉に潰すことを行った

標準実装するかどうか迷った機能は?その背景は?

  • トレタ
    • 座席の配置図(レイアウト)機能開発
      • 他社からの乗り換えを検討している大手から要望を受けたが、当時はプロダクトとして必要性が見いだせず、開発を見送った。(結果失注)
      • 他店舗の予約も受付けられる機能を実装した際に、飲食店スタッフが他店舗の座席レイアウトを把握しているはずが無く、他店舗の座席図を把握する機能が必要になり、結局作った
  • Sansan
    • 画像データのテキスト化
      • 人手で登録していることで担保出来ている「データの正確性」がプロダクトの肝
      • 画像データを受付けてしまうと、サービスの信頼を損ない兼ねない
      • 一度、大手からの要望で頑張って画像データを登録してみたことがあるが、データ元がイレギュラーであるがゆえに、あとから色々な不整合が起きてしまった。その反省から、今でも要望が多い機能ではあるが、やらないと決めている。

理念に合致した中途人材の採用、時間がない中での育成、どうやっている?

  • トレタ
    • 理念に合わない人が入ってきて困ったケースはない
    • 採用の入り口の時点ではトレタのことをよく知らない人が大半
      • 採用プロセスの初期の段階で理念でふるいにかける
  • ネットプロテクションズ
    • カルチャーギャップに苦しんだ時期が一時期あった
    • カルチャー、理念をしっかり伝える様にしている
  • Sansan
    • 採用の入り口でビジョンへの共感はしっかり見ている
      • 明確に手法や基準には落とし込めていない
    • PM:事業成長、数値に向き合って、プロダクトに落とし込める人
    • PMになる前の段階で、アソシエイトPMとしてサポートに入ってもらう

競合との向き合い方

  • Sansan
    • 情報を仕入れるようにはしているが、意識はあまりしていない
    • 競合に負けるケースが増えて来たときに、その要因を検討する様にしている
  • トレタ
    • 基本的にはあまり気にしていない
    • 最終的に飲食店に提供したい価値は他社とは違うと考えている
    • ただし、2番手、3番手がトレタとの差別化のために開発した機能の中で、もっと早く作っておけば良かった、と感じる機能はいくつかある
  • ネットプロテクションズ
    • 競合の発表する数字等を気にしてしまうと、自社がやりたいことを歪めてしまうことになりかねない
    • マーケティング施策は見るようにしている。自社がやった施策を他社も真似しているのを見ると、施策として良かったのだと感じる
    • そんなに強くない競合が出てくることがプロダクトを強くする

よいPMとは

  • Sansan
    • 優先順位をどう決めるか=究極の課題、答えがない。答えがないことについて、自分なりに説明ができる人
    • 一緒にものづくりする人ときちんと関係が作れること
  • トレタ
    • 自分たちのプロダクトの提供価値にフォーカスできる人。それによってつくる側を盛り上げることができる人。
    • 経営、開発、ユーザー、色々な人の間で関係性が作れる人
  • ネットプロテクションズ
    • プロダクト、事業のつくる未来に本当に共感できている人
    • コアな強みを軸に、関係するメンバーとうまく関係性が作れる人。バランスがうまく取れる人。

まとめ、感想

採用シーズンに向けてSaaS関連のイベントが増えてるのは本当にありがたい。カスタマーサクセスやセールス系のイベントはどうしても「こんな施策やってます」的なテクニカルな話になりがちなのに比べ、今回のイベントは対象がプロダクトマネージャーなだけあってプロダクトや事業のバリューやミッションへの共感、といったいわゆる”エモい”(こないだ社内でエモいって言ったらそれはもう死語だって若手にバカにされた。余談)話が多かった様に感じた。
プロダクトマネージャーの話を聞いていて感じたのは、テクニカルな話の前提として、PMFを果たしているかが本当に大事で、PMFに達していない中でテクニックに走っても何も良いことなさそうだな、というそもそも論。
そもそも、PMFというからには、対象となるMarketの定義、Marketに対して提供するProductの価値・バリューがFitしていることが大前提にあるわけで、登壇者が各々自分たちが想定している対象のMarket規模やユーザー像、それに対してProductがどういう価値を提供しているのか、それを実現するためにはどういう組織で有るべきか、までを、当たり前のコトの様に、一連のストーリーの様に語っているのを聞きながら、今更ながら改めてストンと腹に落ちた会でした。
あの人達、多分、寝ても覚めてもProductとMarketのことしか考えてないんだろうなぁ。そんな人しかいない会社は絶対に強い。

「SmartHR × FORCAS SaaS Career Night vol.2 」に行ってきた

UZABASE社主催のイベント『SmartHR × FORCAS SaaS Career Night vol.2 「バリューにもとづいたSaaS Sales Teamづくりとは?」』に行ってきたのでレポートします。

uzabase.connpass.com

概要

最近、SaaS関連のイベントで目にする機会の多い、FOCAS社・SmartHR社が、どのようにバリューの浸透をさせ、圧倒的な成長をするSalesチームをつくっているのか。カスタマーサクセスの話を聞くことは有っても、Sales組織についての話はなかなか聞ける機会が無かったので行ってきました。

発表メモ

開会の挨拶

  • 株式会社FOCAS 代表取締役 佐久間 衡
  • FOCASは(数字は出せないが)めっちゃ伸びてるから仲間がほしい
  • 大事にしていること「本音でつながる」
  • 採用基準
    • とことんオープンで本音ベースのコミュニケーションができること
    • 未来のマーケティングをユーザーと共創するというビジョンへの共感
    • 現職での圧倒的な実績

LT① 海外ユニコーンSaaS企業と同じスピードで成長するSmartHRの営業組織

登壇者

  • 株式会社SmartHR 営業企画 工藤 慧亮
    • 2015年 証券会社でルートセールス
    • 2016年 freeeでインサイドセールス、Sales Opsを経験
    • 2017年11月 SmartHRにSDRチームの立上げ、今年7月から営業企画を担当

SaaSの特徴

  • 1つのプロダクトを数多くの顧客が使う
    • 開発リソースを有効活用できる
    • スピーディーなサービス提供が行える
    • 価格を抑えやすい、安価に提供できる
  • 売上がどんどん積み上がっていく
    • 毎月0から売上を積み上げるのではない
    • 営業に余裕が持てる
  • 先に損をして後で得をするモデル
    • プロダクトめちゃくちゃ大事
  • 売り切り営業とSaaS営業の違い
    • 売り切りの営業:製品力が低くとも、売り方を工夫して受注できるのが良い営業
    • SaaSの営業:無理やり売らず、製品にFBして製品力を高められるのが良い営業

SmartHRについて

  • 利用企業1.8万社
  • 解約率0.2%
  • 海外ユニコーンSaaS企業との比較:twilio、box、shopifyと同じ位の成長率

組織について

  • 社員82名(エンジニア・PM20名、営業20名)
  • 平均年齢:21.3再

営業チームの変遷

  • 2016年11月=営業2名、CS1名
  • 現在=フィールドセールス7名、インサイドセールス3名、SDR8名

SmartHRの良いところ

  • プロダクトチームが営業、CSの要望に応えてくれる
    • やるやらない、その理由を明確にFBしてくれる
  • ユーザーから求められている
    • 人事労務=アナログでユーザーは困っていたが、ソリューションが全くなかった
    • 顧客からの反応がよく、やりがいを感じられる
  • 長期的に大きくなるビジネス
    • チャーンレート・良いとされる数値=2%その10分の1
    • 将来的にプラットフォーム化も考えている
  • セオリーをセオリーどおりにやる
    • チャーンレートを下げる可能性がある場合、無理に売らない。
    • 顧客から引き合いが有っても断ることもある。

会社が抱える課題

  • ビジネスも順調でいい会社
  • やりたいことに対してリソースが全く足りていない
  • 現在の「そこそこ良いSaaS」から「歴史に残るプロダクト&事業」にしたい

LT② SaaS業界で最速成長を目指すFORCASセールスチームが大切にしていること

登壇者

  • 株式会社FORCAS 執行役員 COO  田口槙吾
    • フィールドセールス、カスタマーサクセス、アライアンス担当
    • 2006年 HRベンチャー立上げ、参画
    • 2012年 ITベンチャー新規事業企画室
    • 2013年 CA、sansan
    • 2016年 UZABASE

FORCASの紹介

  • Uzabase社の新規事業としてリリース
  • 未来のマーケティングを創造し、世界の進化を加速する
  • ユーザーとの共創にコミットしている
  • BtoBマーケティングであるABMに特化したマーケティングプラットフォーム
    • ターゲットリスト作成の自動化
    • 営業ターゲットが幅広いビジネスモデル、BtoB企業での導入が多い
  • Revenueチームの変遷

採用方針、価値観

  • CompetencyはExecution/Edge/Valueの3軸で測る
    • Execusion:オーナーシップとPDCAによる職務遂行能力
    • Edge:得意領域を持ち、継続的に会社に貢献する能力
    • Value:7つのルール、31の約束に根付いて行動する能力
  • 採用の3つの誓い
    • バリュー、ミッション、スキルの順番
      • バリューフィットしない人はどんなにハイスキルでも採用しない
    • 自分を超えそうな人を採る
    • 合否決定を他責にしない
  • 7つのルール https://www.uzabase.com/company/seven-rules/
    • 社員数が30名を超えた頃に、内部崩壊しかけた際に作ったルール
    • ルール① 自由主義で行こう
      • 自分なりのベストな環境を自由に創る
        • スーパーフレックス(出社義務なし、服装自由、リモート自由)
        • 自分らしい人生を設計(ロングバケーション制度、自由研究制度、副業自由)
      • 自由と評価、責任が紐付いていることが特徴
      • 評価基準、タイトルがフルオープンになっている
    • ルール③ ユーザーの理想から始める
      • ユーザーと一緒にサービスを作っていくことを大事にしている
        • ターゲット企業を集めた200名規模のイベント実施
        • オペレーション説明会
        • ユーザーコミュニティ
    • ルール⑦ 異能は才能
      • ぶっ飛んだ人間が集まるような組織にしたい
      • そのために、対話、フェアでオープンでコミュニケーションを徹底
      • オフサイト合宿、週次1on1(mgrの責務)、360°評価フィードバック
  • 人間の活動の全ての矛盾はコミュニケーションでしか解決しない、オープンなコミュニケーションで解決出来ない課題は無い
  • 健全なコンフリクトを起こして行くことが大事

パネルディスカッション・質疑応答

  • 成果が出ているかどうか、どのような評価設計で判断しているか
    • SmartHR
      • バリューに沿って活躍が出来ているかでポイントをつけている
      • 営業はOKR。等級が上がるにつれ、コミットメント=数字が求められる
    • FORCAS
      • ポジションによって具体的な評価基準が数値で決められている
      • 何故あの人があのポジションにいるのか?というsurprise評価が起きないようにしている
  • バリューへの共感があまりないメンバーが既にいる場合の施策、バリューの浸透
    • SmartHR
      • 1on1を大事にしている
      • 営業と開発のコミュニケーションが多いため、価値観の統一は自然と図れている
    • FORCAS
      • 共感がないメンバーがいないため何とも言えない
      • 全社表彰の際に、バリューを軸にして表彰をしている
      • マネジメントラインがバリューをしっかり理解していること、それを日々の業務でフィードバック出来ているか、徹底できているかどうか
  • ベンチマークしている会社はあるか
    • FORCAS
      • オープンでフェア、自由な会社=SmartHR、プレイド、ヤプリの3社
    • SmartHR
      • SaaS企業はSaaSを使った方が良いと思っている
      • FORCASは1日で導入を決めた
      • 2年後、3年後を見据えて、拡大している会社はベンチマークしている(ヤプリ、Box)
  • 最初に採用すべきセールスメンバーのスキルセット
    • SmartHR
      • プロダクトが好きなことが第一。
      • プロダクトをつくるためにしっかり営業ができるかどうか。
    • FORCAS
      • プロダクトマーケットフィットしなければSaaSは普通に死ぬ
      • プロダクトが死ぬ前に、しつこくきちんとNoの理由を聞ける人
  • どういった基準で取引先を決めているのか
    • SmartHR
      • セールスプロセスの中に、CSが介在するプロセスがある
      • SmartHRが活かせるクライアントかどうかを判断するための指標を元に判断している
  • SDRとインサイドセールスの違い
    • SmartHR
      • インサイドセールスの領域が広くなりすぎているため、業務の内容を明確にするために分けた
      • SDR=アポイント・商談獲得 インサイドセールス=オンライン商談担当
    • FORCAS
      • SDR、インサイドセールスの分担はSmartHR社と同じ
      • 決済者と利用者が異なる場合が多いため、2回目商談移行は訪問して商談することも多い
  • プロダクトローンチ初期のリード獲得方法
    • SmartHR
      • スタートアップ200社程度にヒアリングを行ってプロダクトを作った
      • ヒアリング対象に使ってもらいながらブラッシュアップしたため、リード獲得にはそれほど苦労していない
    • FORCAS
      • 社内で3つ目のプロダクトのため、既存プロダクトのクライアント情報をSansanで拾ってアプローチした
      • マルケト=知り合いのメディアに声をかけまくり、MAとは、マルケトとは、を広報しまくった
      • ゲリラ戦大事。
  • リード獲得におけるインバウンドとアウトバウンドの比率
    • FORCAS
      • コールドコール=0% 広告による獲得は獲得効率が悪いため、リアルのイベント等でリード獲得を行っている
    • SmartHR
      • アウトバウンド=10%程度
      • インバウンドは結構変動する。マーケからSDRへ渡す際の基準を状況によってチューニングしているため。
  • 健全なコンフリクトを起こすために気をつけていること、ルール
    • FOCAS
      • 意図的にコンフリクトを起こさせる、コンフリクトが起きる前提で組織・仕組みを構築するのが重要
      • それがマネージャーの仕事では?
    • SmartHR
      • 会社としてどこを目指しているか、分業して何を目指すのか、をオープンに会話しているからこそ、精算的な議論が出来ている
  • SaaS企業で優れたプロダクトを見抜くポイント
    • SmartHR
      • 狙った市場が良いかどうか。対象の市場を見る
      • プロダクトの改善が早いかどうか
    • FOCAS
      • 経営者がプロダクトを作った理由が、その人の原体験に無いと結構厳しい。その感覚に共感ができるかどうか。
      • ユーザーの声がスピーディーにプロダクトに反映されてるプロダクトは強い

まとめ、感想

SmartHR、FOCASどちらからも、強烈なプロダクト愛というか、”バリュー”へのコミットメントを強く感じました。
”バリュー”という、土台というか、当たり前のモノ・揺るぎない信念・前提条件の様なものがあって、その上にそれを体現するためのプロダクト、それを適切に市場に届けるためのセールス・CS組織、組織内の目線を揃えるための採用・評価基準etc...が当たり前の様に紐付いているというか。うまく言語化出来なくてもどかしいんだけど。。
スキルは有るけど"バリュー"に合わない人は採用しなかったり、プロダクトが活用されないことがわかっているクライアントは利用をお断りしたりすることは、”バリュー”に対して組織の目線がそろっている一枚岩の状態であれば、そういうルールがあろうがなかろうが、”バリュー”の価値を下げたり毀損するリスクを回避するための自己防衛反応として自然に起こりうるコトなんじゃないかと思う。
"バリュー"を元に顧客や社員を、ある意味選べるのは、それが許される「正しい市場」に対してPMFを実現出来ているからであって、仕組みやノウハウを真似してもあまり意味がなく、ベンチマークされればされる程かえってその会社の”バリュー”が際立ち、他社との差別化につながるからこそ、こうして彼らは自分たちのノウハウを惜しみなく共有してるのかな、とも感じました。深読みし過ぎかな(汗)

「SaaS Conference TOKYO 2018」に行ってきた

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概要

2018/11/02(金)に行われた、"SaaS Conference TOKYO 2018"に参加して来たのでメモをUPします。

SaaS Conference TOKYO – ARR 0から100億円まで。SaaSスタートアップの成長方法

Session01:3年連続300%像のSaaS企業のHardThings

登壇者

0→1のフェーズ

  • 始め3年はきつかった
  • SaaSは2パターン、バーティカルか、ホリゾンタルか→ヤプリはホリゾンタル
    • 対象業界がどこかわからなかった
    • 顧客の企業サイズがわからなかった(スモールビジネスを対象に始めた)
  • 始めはアプリ1個1万円、オンラインセールスで売っていた
    • ゲーム攻略系の会社がファーストユーザー=対象の会社がほぼ無い
    • 株主からの紹介で、音楽業界の会社に提供、音楽機能をつけた→使われなかった
    • 最後にあたったのはファッション業界(たまたま)
      • アプリかライン@か迷っていた
      • クーポンの要望が有った→作った→あたった
      • 初めて費用対効果が見えた
  • 何をやっていたらもっと早くPMFにたどり着けていたか?
    • 対象の市場がどこまで広がるかを見る必要がある

プロダクトの売り方、マーケティング施策

  • カスタマイズ要望、優先順位の付け方
    • プロダクトのロードマップを敷いてある
    • ロードマップ上に有るか、金を払ってもらえるか、複数社にニーズがあるか、から複合的に判断
  • SaaS≠セルフサーブ
    • スモールビジネスはものすごく簡単でないとセルフサーブ出来ない
    • 「大手向けであれば柔軟性が高い」と大手から指摘された→3年目でセルフサーブを切った
  • マーケティングの取り組み
    • オンラインセールスを辞めたタイミングで料金表を非開示にした
    • 料金表に引きずられず、サービス内容で価格設定ができるようになった
    • イベントを中心としたオフラインセールスに切り替えた
    • 7割の顧客がマーケティング用途としてアプリを利用。マーケティング系のイベントに出展
  • オフラインイベント
    • 展示会=広い出会い
      • リード獲得:コンパニオンが呼び込み、通路に向けてセミナーを実施
      • インサイドセールス:営業社員がブース内で実施
      • ブース内に回収した名刺のステータスに応じて仕分けができる様に箱が用意されている
      • 次の日にはインサイドセールスが荷電できるようになっている
      • 一回の出展で800万程度かかる、一つ一つの施策でも費用対効果は見てはいるが、CACが釣り合っているのであれば積極的に出展する
    • カンファレンス=コアな出会い
      • 偉い人を読んで集客をはかる
    • 自社イベント、ヤプリサミット=ファン化
      • 既存顧客、ターゲット顧客を招いてコミュニティをつくる
      • 新機能や今後のロードマップを発表
      • 製品や将来性に対して理解を深めてもらう
      • ヤプリ大好きな人=ヤプラーを増やす
  • 展示会等に向くサービス
  • カスタマーサクセス
    • 全社の文化にしたい。作って終わり、売って終わりではない。
    • KPI管理するために専門の部署をつくった
    • 社員全員で専門書を読み、顧客の全アプリをチェックし、サクセスプランをプレゼンしあった

壊れたこと

  • 初期採用社員が辞めた=社員のカスタマーサクセスが出来ていなかった
    • ヨップ:ヤプリオンボーディングプログラム
    • 入社〜3ヶ月までの段取り、1on1のスケジュールまで採用チームが予め設計している
  • プロダクト=プッシュ通知が壊れた
    • 非エンジニア部門の周りにエンジニアを配置。QAを重視したことで劇的に改善した

これまでの振返りとこれから

  • 0→1はとにかく手当たり次第
  • 1→10は業務プロセスを分業化、科学することで達成
  • 10→100はさらに細かく因数分解することが必要

Session02:高速インサイドセールスの立ち上げと拡大

登壇者

スマートHR社SDRチーム(インサイドセールス)

  • 2017年11月入社当時の課題
    • 大量の新規リード
    • 目標設定が出来ていない
    • データがない、どこから何を着手すればよいかわからない
    • 未来の流入予測
  • TTTDDの目標から逆算し、必要なアポ数等を設定することから始めた
  • 当時、一人あたりのリード数=300件 Salesforce=70〜80程度
  • 課題解決の優先順位
    • 案件化する割合の高い導線(LPからの問合せ)から優先的に対応
    • Salesforce社の”TheModel”に従って、優先順位をつけていった
  • SDRチームからSmartHRのカスタマーサクセスは始まっている

Salesforce社のノウハウ

  • ”TheModel”
    • SaaSであればやったほうが良いセオリー
    • マーケティングインサイドセールス、外勤営業、カスタマーサクセスを完全に分業化
    • 各部門のKPIがKPIが事業拡大に直結する
    • インサイドセールス組織の作り方
      • インサイドセールスチームの結成
        • 適正、経験のある人材の採用、組織体制の構築
      • 営業部門との合意
      • 自部門のKPIの設定
        • 案件創出までのステップ、施策、評価指標の設定
      • キャリアプランの策定
        • 人材の採用、必要スキル、昇進条件など
      • 他部門との情報共有ツールの運営
        • MA、SFA、BIなど
      • 見込客データの名寄せ
        • 基幹システム、展示会リスト、名刺、失注案件、等
      • 担当者、マネージャーの教育、トレーニン
  • Salesforceのトレーニン
    • オンボーディングプラン
    • 大学制=単位、必須科目があり、履修しないとステップアップ出来ない
    • 電話のかけ方等は教えていない
    • 顧客のことを理解し、顧客の立場で話す方法論
      • 顧客のビジネスの話をヒアリングし、サービスの紹介は最後にする
  • Salesforceを使うべきかどうか
    • 早く成長したい会社であれば利用すべき
    • セールスだけではなく、全社的にKPIの共有ができる
    • 各部門のKPIが全社で可視化できているのであれば、Salesforceで無くてもよい

Session03 Deep Tech × SaaS のビジネス構築

登壇者

Deep TechをいかにSaaSにしたか

  • 受託系R&Dからリカーリングにいかにつなげたか
    • LM
      • コア技術が何なのかを見つける旅→自分たちの自己満足に陥りがち
      • 顧客のペインに対していかにプロダクトが寄り添えるか、それを見つけられるか
      • 顧客とのPDCAをいかに高速に回せるか
      • 一口に「金融」と言っても、時間軸、プロダクト、顧客の儲け方、切り口によっても無限通り存在する
    • Alpaca
      • DeepTechはSaaSをやらなくても儲かる、SaaSからDeepTechは有りうる
      • AIをデリバーする一つとしてSaaSを選んだ
      • スイッチングコストが高い、顧客単価が高く取れる
      • 自分たちで研究投資した結果、出来なかった企業の受け皿として機能している
  • プライシングのロジック
    • 実績を作ってからマネタイズするのが大事
    • プライシングが大事、低く設定すると上げにくい
    • LM
      • マーケットを広めるためにやっているため、低めに設定
      • 競合があまりいないため、啓蒙のためにも低くせざるをえない
      • 今後は技術向上、付加価値をつけて値上げも検討
    • Alpaca
      • 価格に対してこだわりはあまりなかった
      • Salesのコストをいかに低く抑えるか=マーケティングパートナーを選択
  • エンジニア、研究者の採用方法
    • LM
      • 気合、ビジョンへの共感。10年後しに口説くこともある
      • 採用、人が全て。90人程度の組織で採用担当は5名
      • 最初の採用担当は、創業から1年後くらいにCOOを担当にした
      • 人が一番大事。一番始めに採用担当を入れるべきだった
      • 採用基準=頭が良くて性格が良い、どちらかというと性格重視
      • 新卒採用がおすすめ。
    • Alpaca
      • Techサイドのポリシー=自分を超える可能性がある人しか採らない
  • 組織を立ち上げる際の苦労
    • LM
      • 信頼関係をどう作っていくか
      • 目標を明確にする、キャリアを考えてあげる
      • ビジョンとそこまでの道筋をしっかりと握る
    • Alpaca
      • 情報をフルオープンにする。採用、資本政策、売上、等
      • 個々人の強みをどう見つけて引き上げていくか
  • 課題解決orTechどちらから始めるべきか?
    • LM
      • 課題ドリブンで始めた
      • 機械によって人間の能力をどの様に拡張していけるか
      • 社会的課題へのアプローチとしてTech企業を志向する人が増えると良いと思う
    • Alpaca
      • 始めはTechドリブン
      • 金融機関は「そんなに必要ではない」というところから始まった
      • 課題解決ができるようなプロダクトができるようになって、課題に目が向くようになった

Session04:CSとセールスがケンカをせず仲良く連携する方法

登壇者

  • 河嶌 佐登志 Insider Japan株式会社

会社概要

アップセルが大事

  • 既存顧客の継続より新規獲得の方が5〜25倍コストがかかる
  • 既存顧客へのアップセルより新規獲得の方が4倍コストがかかる
  • 既存顧客の60〜70%はアップセル可能
  • 30%以上の売上はアップセルで獲得すべき

セールスとCSの役割

  • セールスチームとCSチームはコインの裏表
    • どちらも長期的に会社を成長させていく役目
    • セールスの評価:業務速度、獲得率とクローズまでの時間
    • CSの評価:エスカレーション率、解決までの時間、NPS
    • セールス+CS=ユニット 共通の目標のもとで一つの組織として活動
  • CSと営業が協力するメリット
    • 高いLTV
    • さらなるアップセル
    • 顧客満足度の向上
    • 良き顧客の紹介
    • 高収益
    • さらなる成長
  • 協力のステップ
    • 見込み顧客と既存顧客のセグメント定義
    • セールスからCSへの引き渡しの手順を確立
    • フィードバックループを作成
  • 実行すべきアクションPOINT
    • セールス
      • スムーズな引き継ぎ
      • 重要な会議へのCSの参加
      • 営業活動中に詳細を記録し、CSへ情報を共有
      • 顧客期待値を適切に管理する
    • CS
      • スケジュール化された資料を心がける
      • 現状の成功顧客とともに見込み顧客へ接触する
      • 重要な顧客体験を営業と共有し、営業の機動力とする
      • アップセルの可能性の予測
    • 1週間、セールスとCSチームを入れ替える
  • アップセルのベストプラクティス
    • 質問をするー今の問題点を見つける
    • 定期的なmtgにセールスも参加
    • 新規提案にCSも参加
  • アップセルの機会を見つける
    • 毎日もしくは週次のMTGskype)を実施
    • CSをただの窓口にするのではなく、クライアントのコンサルにする
  • SBAs(SalesBusinessAnalysis)を設置
  • 行っている定期的なmtg
    1. 営業パイプラインmtg
    2. 週次の営業見込mtg、quarterly mtg
    3. アップセルパイプラインmtg
    4. 解約理由発見mtg

Session05:IPO後も高成長を続けるSaaSプロダクトと組織

登壇者

プロダクトと組織

  • プロダクト:市場を拡張するか、市場を創造するか。市場を創造することが大事
  • 2013年の失敗=システムの内製化を目指したこと
    • Salesforce導入を提案するも、内製化スべきとの反対にあい、導入しなかった
    • 結果、社内で開発したシステムは使われなかった
    • 社内開発システムはすぐに陳腐化する
    • SaaSの一番のボトルネックは常に開発リソース
    • 他社SaaSを徹底的に活用し、自社プロダクトの開発に集中すべき
  • BtoBプロダクト開発の要点
    • 80%のユースケースを最もシンプルなUIで実現する
      • ユースケースを平等に扱わない
      • ファーストページで70〜80%
      • 2ページ目で90%、3ページ目で100%を抑えられれば良い
      • 発生頻度の低いユースケースには何クリックさせても良い
      • プリセットを活用し、数ステップを1ステップにまとめる
    • ユーザー課題×LTV
      • 縦軸=成長率×横軸=継続率
    • ユーザーファーストではなく、ファーストユーザーとして既存プロダクトを使う
      • 誰よりも自分が欲しいプロダクトになっているか
      • 自分の感覚を信じ抜く
  • カンパニー制の導入
    • 同じユーザーを見るたての組織をつくる
    • ユーザーの属性が複雑になると「優先順位」で物事を考えるようになり、現場で意思決定できない
    • 現場で意思決定出来ないとスピーディーに良いプロダクトをつくることが出来ない
    • 全てのチームとユーザーとの一次接点を増やす
    • OKRと相性が良かった

Q&A

  • エンタープライズに向かうべきだとは思わないか?
    • スタートアップはスピードを最優先にすべき
    • ベースコンセプトのプロダクトマーケットフィットのスピードを上げるためには、顧客からのフィードバックを早く得られた方がよい
    • そのためにエンタープライズが最適だとは考えない
  • やることが多いがどの様に優先順位をつけているか
    • 小さな独占の連続
      • 小さな市場を独占するため、ストーリーとターゲット顧客を決める
      • CSと開発で課題解決を達成し、数字で説明できる価値を提供する
      • ユーザー課題のセグメンテーションとLTV分析で攻める市場を特定する
      • 小さな課題をデジタルフラグ化し、具体的な企業名まで落とし込む(ターゲティング)
    • プロダクトをつくる判断基準
      • タッチポイントを増やしてARPUを上げる

Session06:SaaS事業の収益を倍増するカスタマーサクセス

登壇者

  • 鈴木 雄太 株式会社ビズリーチ HRMOS採用管理事業部カスタマーサクセス部 部長
  • 鈴木 大貴 HiCustomer株式会社 代表取締役

カスタマーサクセスが生み出す収益インパク

  • Revenue churn5%と-2.5%では5年間で5.5倍の差
  • ランド&エクスパンドモデル:一つの部署での導入から他部署、全社へつなげていく

カスタマーサクセスの始め方

  • Bessemer:許容チャーンレートは年間5−7%(月次で0.42−0.58%)
  • どういう人をカスタマーサクセス担当にするべきか
  • カスタマーサクセスチームが出来たらやること
    • 顧客個別の利用状況を可視化=チャーン、アップセルの可能性の可視化
      • ログイン率
      • 主要機能の利用状況、できればライフサイクル別に把握できると理想
      • ライセンスの有効化率
    • オンボーディングのテコ入れ=チャーンにつながる最も大きな理由はオンボーディングの失敗
      • プロセスの見直し
      • Time to Valueの最短化
      • Customer Effortの最小化
    • カスタマーサクセスのKPIはチャーンだと言われるが、チャーン自体の数字を追っても意味がない。チャーンにつながるまでの顧客の状況を把握する必要がある。とにかく顧客の所に訪問していた
    • 当初はTechタッチでヘルススコアを作っていたが、訪問して見たら違うことが多々有った
  • ヘルススコアの考え方(ビズリーチ
    • 「顧客ステージ」を分類
    • 既存顧客のステージをピラミッド型に整理
    • 利用指標、接点、評価などを複合的に捉えてロイヤリティを可視化
    • 施策に対する反応と顧客の継続率を分析し、想定継続率に応じて4つの段階に分類
  • Customerサクセス部の体制(ビズリーチ
    • Support&Community:サポートデスク、顧客全体施策
    • Onboarding:3ヶ月以内のアクティブ化
    • User Success:顧客のロイヤリティ化
    • 共通業務:担当顧客対応(訪問、業務改善提案、継続提案)
  • やってよかったこと
    • ロイヤルカスタマーがどの様なプロセスでロイヤルになったか、ノウハウの共有
    • 開発メンバーに対して、顧客の反応をFBすること

読書履歴:大型商談を成約に導く「SPIN」営業術

3行でまとめ

  • 商談に何ヶ月も期間を要する様な「大型商談」には、小型商談に用いられ、数多のビジネス書で述べられているようなセールステクニックは通用せず、むしろ逆効果な場合も存在する
  • 大型商談にテクニックが通用しないのは、商談の目的が大型商談と小型商談とで異なるためで、小型商談は「受注」と「不成立」の2つしかない(短期間・少額・少人数の意思決定で済む)のに比べ、大型商談では「受注」「進展」「継続」「不成立」の4つの目的が存在し、大半の商談が、顧客の潜在ニーズを発見し顕在ニーズへと育て、約束を取り付けるプロセス(=「進展」)に割かれるためである
  • 大型商談には、①予備段階 ②調査段階 ③解決能力を示す段階 ④約束を取り付ける段階 の4つの段階が存在し、それぞれの段階を次に進めるために、4つの質問「状況質問(Situation)見込客の現状に関する事実を見つけ出す質問」「問題質問(Problem)見込客の抱える問題点や支障、不満に関する質問」「示唆質問(Implication)見込客が抱える問題の与える影響や結果等に関する質問」「解決質問(Need-payoff)見込客から提案された解決策の価値や効用に関する質問」=「SPIN」をうまく使い分ける必要がある。

    読後感想

    営業に関するビジネス書は、どこかのトップセールスの成功体験をまとめた、そのセールスパーソンと同じ状況で無い限りほぼ共感出来ないタイプのモノが多くて、正直あまり好きでは無かったが、本書は大型商談を行う多くの企業との統計的な調査を元にした体系的なノウハウがまとめられており、そう言った意味で多くのセールス本と一線を画す。
    本書の内容は、大型商談を行っている営業だけではなく、顧客との長期的な関係を構築しLTVを最大化したいカスタマーサクセス職、他社との業務提携交渉を行う事業開発、等の職種でも活かせるのではないかと思う。

読書履歴:あなたのチームは、機能してますか?

3行でまとめ

  • 組織のすべての人間に同じ方向を向かせることができれば(チームワークを築くことができれば)、どんなときでも圧倒的な優位に立てる
  • 本物のチームワークは大抵の企業において実現しにくいものであり、組織がチームワークの実現に失敗する理由は、気づかぬうちに陥りがちな五つの機能不全が存在するためである
  • 五つの機能不全とは以下5つの機能不全のうちいずれか一つでも蔓延することでチームワークが悪化することを指す ①信頼の欠如:弱みを見せまいとし、「完全無欠」を求めてしまう ②衝突への恐怖:互いの信頼の欠如が原因で、「表面的な調和」に帰結しがち ③責任感の不足:健全な衝突が回避されることで、決定に対して誰も責任を持たない「あいまいな態度」がはびこる ④説明責任の回避:行動計画に対して誰も説明責任を果たさないため、怠惰な行動が咎められることなく「モラルの低下」を招く ⑤結果への無関心:誰もが説明責任を果たさないことで、チームの目標よりも個人の「地位と自尊心」が優先される

読後感想

チームワークを阻害する「五つの機能不全」について、架空の新興企業の役員会でのディスカッション(フィクション)を用いて臨場感を持って伝えるもの。停滞した組織にいた経験がある人なら誰しもが少なからず経験したことがあり、心がチクリとする感覚を覚えるのではなかろうか。
本書はチームが目標に向かって一枚岩になれない理由=機能不全に対してどの様に対処すべきか、について述べられたものなので、チームとしての目標を設定する部分が比較的さらっと流れてしまっているが、チームワークが機能不全に陥っている場合に最も影響を受けるのは、チームとしての目標が決まらないこと、全員の目線や課題感が揃わないことだと思う。
本書では、チームワークが整ったことで目標が決まり、組織がスムーズに動き出すプロセスに絞って描かれているが、ビジネスのチームでは鶏卵的になってしまってこうはなかなかうまく行かないのでは?と感じた。ビジネスチームとの対比として、スポーツチームは「勝利」という目標に向けてチームワークを整えやすい、と述べられており、また、フィクションの設定が、ある程度目線が揃っているであろう役員会での議論であるため、鶏卵のリスクヘッジはされているが、ビジネスの場合は「チーム」の定義、誰を巻き込むのか(チームの範囲)、チームの目標はなにか、等々、考慮すべき前提が山程あるなぁと感じた。

読書履歴:サブスクリプション・マーケティング――モノが売れない時代の顧客との関わり方

3行でまとめ

  • サブスクリプション型ビジネスへの移行により、マーケターは従来の見込み客を客に変える、売上ばかりを重視したマーケティング手法から、顧客との長期的な関係の構築、「価値の育成」を目指すことが求められている
  • 「価値の育成」とは、顧客からLTV等の金銭的価値を絞りとることではなく、顧客が品質や価格に対して下す製品に対する総合的な価値体験をサポートすることである
  • 「価値の育成」を行うためには、「①顧客が満足感を得るのを助ける」「②価値の実証」「③価値の創造」「④顧客との関係を通した価値の創造」「⑤価値観の共有」の少なくとも5つの方法があり、実践のための様々な方法論、アイディアが紹介されている

読後感想

顧客との長期的な関係を構築するためにマーケターが考えるべき「価値の育成」について、事例を紹介。事例多め。カスタマーサクセスという言葉が出てくる前に書かれたのか、本書では一切触れられていないものの、考え方はほぼカスタマーサクセスそのもの。How toを学ぶのには丁度よい。

読書履歴:カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則

3行でまとめ

  • カスターマーサクセスとは、優れた製品に対して顧客の心理的ロイヤリティを創出するための理念
  • カスタマーサクセスの目的は、製品を通して成果と投資利益率がもたらされることであって、製品を最優先事項にせず、カスタマーサクセスの活動を行おうとしても意味が無い
  • カスタマーサクセスにより定期収益ビジネスを成功に導くには、組織や製品、顧客との関係の作り方、ロイヤリティの測定方法等、10の原則が存在する

読後感想

「カスタマーサクセス」という言葉だけが(なんとなく)独り歩きしていて、「カスタマーサポート」とか「リーン開発」とか、顧客と製品との関係に関わる似たような言葉とごっちゃになっているような印象があったけど、本書を読んでスッキリした。
「カスタマーサクセス」とは、サブスクリプション型の商品を購入した既存顧客との関係を効率的に構築することでLTVを高くしましょう、という考え方であり、事業方針、理念のことであって、職種や顧客とのコミュニケーション方法のことではない。
方法論の部分である「ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチ」であったり「ヘルススコア」であったりが新鮮味があって新しい概念の様に聞こえていたが、これって従来から既存顧客向けに営業がやっている「御用聞き営業」だとか「効果ヒアリング」とやってること自体に違いはあまりない。
ただ、それだと顧客との関係が属人化されてしまい、非効率で、顧客が製品の利用を通じて自走することを目指せなくなってしまう。
肝心なのは、製品自体が優れていて、それを利用することで顧客の自立を促し、ロイヤリティを高めることで利益をもたらしてくれる様な設計になっていること、製品から顧客が最大の価値を受け取れるようにすることであって、究極的には顧客が助けを求める頻度がどんどん減って行くこと。
従来の営業的手法では、顧客との(個人的な)関係構築自体が目的になってしまい、顧客との関係性を持っていることが営業として他者との差別化要素になり、製品や事業、組織に全くフィードバックされない=製品や組織に対する投資に対してレバレッジが効かない、ということなんだと理解。カスタマーサポートやリーン開発より、グロースハックとかMarketingAutomationとかの考え方により近しい印象を持ちました。